原発から出る高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分場選定を巡り、資源エネルギー庁の松山泰浩次長は1日、佐賀県玄海町の脇山伸太郎町長を訪問し、選定の第1段階となる「文献調査」に応じるよう申し入れた。同町議会が4月日に調査受け入れを求める請願を採択したことを受けた対応。国が申し入れを行ったのは、2020年の後志管内神恵内村に続き全国で2例目となる。
脇山町長は今月中に受け入れの可否を決める考えを示している。国は最終処分場の候補地拡大を目指しており、申し入れにより町長の判断を後押しする狙いがあるとみられる。
申し入れた後、両氏は非公開で面談した。終了後、松山次長は「町で議論が進んでいることに感謝する。町長の考えを大臣に伝えたい」と述べた上で、町長に斎藤健経済産業相との面会を打診したと明らかにした。
脇山町長は報道陣の取材に対し、経産相との面会について「(受け入れを)判断する前に会い、原子力政策に貢献してきたわれわれの思いを伝えたい」と語った。面会を調査受け入れの判断材料にすることは否定した。
最終処分場選定のプロセスは3段階ある。文献調査には、自治体が応募するか国の申し入れを自治体が受け入れる必要がある。これまで調査に応じたのは同管内寿都町と神恵内村の2町村だけにとどまっている。