大型連休直前の仕事休みの平日、絶好のドライブ日和になったことから胆振東部の町と日高方面に出向いた。
コンビニで買ったコーヒーを飲みながらのんびり走れば、桜の色がつきだした野山、伸び始めた沿道のフキ、水を引く田んぼ、緑色が鮮やかな小麦のほ場など景観が春全開で心が軽やかになる。目的である平取とむかわの直売所をのぞいて好物の山菜や取れたての野菜を手に入れ、安平町の鶴の湯温泉に漬かって戻った。
昨年は足湯と道の駅を訪ねて伊達・大滝、壮瞥、豊浦方面にも走ったが、今季はそのルートのお目当て、ホタテ稚貝の販売が貝毒の影響で中断されたこともありハンドルを東に切った。シニア年代になってうまさと効果にはまった山菜と温泉をセットにすれば、やや長い時間の運転を割り引いても日頃の疲れをリセットできる。癒やしと満たしを得られる環境のある苫小牧近郊の魅力を再認識する。
道すがら特に感心したのはキタコブシ。平取町と厚真町で見た今年のコブシは圧倒されるほど花にボリューム感があった。品のある甘い香りをたたえて咲き誇るさまは”春らんまん”の体現。花の付きが見事な年は豊作との願いを込めて名を「満作」とたとえられることもある。多くの人に実りをもたらすと願い。(司)