白老町のNPO法人ウテカンパ(田村直美代表)は21日、ベトナムをテーマにした交流会「だれでも食堂 チャムセチャムセ」を町虎杖浜地区の青峯山観音寺で初めて開いた。同地区で働く技能実習生16人と町民約15人が、会食などで交流した。
町在住の外国人は357人(3月末時点)で、国籍別で最も多いのはベトナムの147人(41・17%)。女性は113人(31・65%)と突出し、大半は町内の食品製造会社や水産加工会社などに勤めている。
交流会は、食を通して白老を好きになってもらいたいと企画した。ベトナムの人が最も好む日本料理とされる「焼き鳥丼」を無料で振る舞い、参加者は世間話をしながら会食を楽しんだ。ベトナム語の日常会話を学ぶ場も設け、ベトナムの人が子どもたちにあいさつの言葉などを教える場面もみられた。
苫小牧市の北洋大学から奥村訓代学長と中国系学生、町内からベトナム系実習生を雇用する企業の関係者が視察に訪れ、田村代表(52)は交流会を定期的に開催していきたい意向を伝えた。奥村学長は「外国人学生が多いので、町民と触れ合える場があれば積極的に参加していきたい」、企業関係者は「相互理解を深める場が社外にもあるとありがたい」と継続を期待した。
ベトナム南部出身のミン・グエットさん(23)は「白老の皆さんは親切。もっと仲良くしたいし、仲間も誘いたい」と笑顔。虎杖浜から参加した女性(42)は「若い外国人が町内にたくさんいて驚いた。休みの日に行く場所がないという話を聞いたので、外国人も参加しやすいイベントが増えるとよいのでは」と話した。