無線で遠隔操縦し、飛行させる無人機ドローン。空撮などに利用され、当社でもまち全体の風景写真や打ち上げ花火の動画の撮影で使っている。
今年度はこのドローンの操縦時に高速通信規格「5G」の携帯電話回線が使用できるようになり、大容量データの高速送信が実現する。災害発生時には河川の氾濫や住宅被害の様子を素早く鮮明な映像で確認でき、山奥など人が入りにくい所にあるインフラの状況も詳細に把握できるようになる。一部地域で始まった荷物の配送では、長距離輸送時の安全性や効率が高まるという。
元日に発生した能登半島地震では、被災した孤立集落に薬や日用品を届ける役割を果たした。地震直後は自衛隊員が片道1時間かけて届けていたが、これを10分に縮め、すでに十分頼もしい存在だ。ただ、海外の戦地では、偵察、監視、攻撃に使われている。飛行するだけでなく、地雷を載せて陸上を走る、爆薬を積んで水上を走るといったものも実践に投入されており、戦争の形を変えたと言われる脅威的な存在になっている。
物の善しあしは使い方次第―と言えそうだが、使うのが人なら、作るのも人。ならばドローンは、人間に良識を問い掛ける物体であるのかもしれない。(林)