むかわ町宮戸の今村京子さん(73)が、第2回全道キタシルバ杯カラオケ大会(道老人クラブ連合会主催)で、グランプリに当たる「キタシルバカラオケ大賞(北海道知事賞)」を受賞した。胆振管内で初めての快挙となり、18日に町役場を表敬訪問し、「優勝すると思った人がいたので、(自分が)大賞を受賞するとは思わなかった」と竹中喜之町長に受賞の驚きと喜びを報告した。
大会は、3月26日に札幌市のかでるアスビックホールで開かれた。昭和歌謡と平成歌謡、令和歌謡の3部門に、道内各地から計71人が出場した。
今村さんは平成歌謡の部門に初出場し、花京院しのぶの「お父う」を熱唱した。4歳のころに父親と死別し、よく歌ってきた曲で、周囲から「あんたの父さんは歌がうまかったよ」と言われることもあったという。審査員の講評では「会場の一番上まで届くようなパワーが声にあり、聴く人の胸に伝わってくるものがあった」と評価された。
会場には、地元から約20人の応援団が駆け付け、今村さんの力強く、伸びのある声に聴き入った。見守った町老人クラブ連合会の藤岡孫一会長は「何かの賞は頂けると思っていたが、大賞に選ばれ、自分でも胸が熱くなった」と喜ぶ。
今村さんは、かつて勤めた町内の保育施設や地域イベントで司会を務めたほか、コロナ禍前は高齢者施設などで読み聞かせボランティアをしていた。
歌は「歌うと喜ばれる。周りと一緒に楽しく過ごせることが何よりもうれしい」と子どもの頃から大好きで、歌唱大会への出場経験を持っていた。老人クラブ「若汐会」に2023年に入会し、クラブ活動でパークゴルフをしていた際に藤岡会長から大会への参加を誘われ、出場したという。
表敬訪問には賞状やトロフィーを持参し、歌への思いなどを語った。竹中町長が「ぜひ、町内で歌声を披露してほしい。他の部門でも大賞を目指して」と激励すると、今村さんは「元気な限り大会に出たい。他の部門での出場は今後考えます」と話した。