海外に行く際、多くの人がネックになると感じているのが英会話などでの外国人とのコミュニケーションではないでしょうか。私は英語が得意な方でないので、海外でのコミュニケーションには苦労することが多々あります。しかし、最近ではポケトークといった小型の翻訳機器や、スマートフォンでの翻訳アプリも充実しており、以前に比べると簡単にコミュニケーションできるようになったと感じています。
スロバキアに留学していた時、大学生を含めた若い世代の多くの人たちが英会話に堪能で驚きました。正直なところ、日本の学生よりも英語が堪能でないかと感じました。現地の友達とそのことについて話をしたところ、スロバキアでは夏休みなどの長期休暇を使って英国に住み込みでアルバイトをしに行くことが多く、自然と英語を話せるようになると聞きました。スロバキアは物価が安く賃金も高くないため、英国に出稼ぎに行く若者が多いそうです。
他にも専門書には母国語のものが少なく英語で書かれたものを使うため、英語ができないと専門の勉強も困難になると話していました。日本は専門書であっても日本語で書かれたものや、翻訳された教科書が多く、不自由をすることはありません。教育をはじめとして、さまざまな面で恵まれていると思いますが、そのような環境が結果的に学びの機会を失わせていることもあるのではないかと、思わず考えさせられる出来事でした。
(苫小牧工業高等専門学校准教授)