ネイチャー研究会inむかわのメンバーらで組織する「むかわタンチョウ見守り隊」は7日、厚真町の厚南会館で「厚真の風力発電と自然保護について考える勉強会」を開いた。町内外から32人が参加。民間事業者が町内などで計画する風力発電が環境に与える影響や、生物多様性について学んだ。
風力発電を考える当別町民の会(石狩管内当別町)の手代木隆二代表(75)と日本野鳥の会の田尻浩伸自然保護室長(51)が講師を務めた。
手代木代表は、風力発電で超低周波が発生し、海外で健康被害が発生している事例を紹介。当別町での陸上風力発電設備の設置に反対する活動をしており、「厚真町やむかわ町の方は、事業者の報告する調査結果からは環境への悪影響の低減が確認できない、と知事や町長、環境省に(意見として)伝えることが必要」と話した。
田尻自然保護室長は、風力発電所や太陽光発電所の発電量の最大化のみを目的に設備を設置すると、多くの自然が失われると指摘。「日本では、26~63平方キロの自然地域が失われ、哺乳類や鳥類など81~146種類の生き物が失われるとした欧米の論文もある」と話した。