任期満了に伴う白老町議選は29日に投開票が行われた。定数14に現職、元職、新人候補計16人が戦いを繰り広げた結果、新人5人が全員当選し、現職2人が議席を失った。トップ当選は1035票を獲得した元職の広地紀彰氏(50)=無所属=。
町議選には現職10人(共産党公認2人、公明党公認2人、無所属6人)、元職1人(無所属)、新人5人(無所属5人)が立候補。告示の24日以降、各候補は5日間にわたる選挙運動で、人口減少対策に関連した子育て支援強化、移住・定住対策、産業振興による雇用創出や、町立病院改革に伴う医療福祉の充実などの政策を訴えた。
開票の結果、地元町内会をはじめ町内をくまなく遊説し、幅広い支持を手堅く固めた広地氏が最多得票でトップ当選。次に、前回2019年町議選のトップ当選者、佐藤雄大氏(30)=無所属=が続いた。3位は650票を獲得した水口光盛氏(51)=同=で、新人の中では最も票を得た。
開票は29日午後9時ごろから町総合体育館で行われ、同10時50分ごろに当落が確定した。当日有権者数は1万3806人(男性6564人、女性7242人)で、投票者総数は8051人(男性3728人、女性4323人)。投票率は前回選挙を0・65ポイント上回る58・32%となった。無効票は120票だった。
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町選挙管理委員会は町議選投票日の29日、虎杖浜生活館など投票所を開設した6施設までの無料送迎車両を試験運行し、約10人が利用した。
乗車対象は交通手段を持たない町民や長距離移動が困難な高齢者などの有権者。
北吉原バーデン、同ゆうかり、萩野太平洋団地の各町内会を対象とした地域では、投票所がある萩野児童館まで2キロ近くあり、萩の里会館など計3カ所を経由する8人乗り送迎車を2回運行した。
午前10時の便には3人が乗車。このうち夫婦で乗車した男性(87)は歩行につえを使用し「年を取ると歩くだけで大変。関心が薄い選挙だったら投票を控えたかもしれず、無料送迎はありがたい」と話していた。