「みみ」はウサギの耳のことで「子どもの声がよく聞こえるように」と願いを込めた。松嶋さんが白老を「老後の安住の地」と定め、土地を探して平屋建ての一軒家を建設。50平方メートルほどのリビングに本棚やテーブルを置き、絵本や児童書を並べて読み聞かせも行うことにした。
松嶋さんは「白老は、子どもを『まちの宝』と考えていると聞いた。町民の皆さんがふらっと立ち寄れる『街の図書館』のような場所になれたら」と語る。館の運用については同日、集まった人たちと相談して決めるという。
コンサートは「歌と絵本のコラボレーション」と題し、午前10時開演。ソプラノ歌手で東京在住の小倉真理子さんと室蘭市在住のピアニスト井口陽子さんが「アヴェマリア」や「アメイジング・グレイス」などを披露する。童話絵本の読み聞かせも行い、午前11時半ごろ終了予定。
松嶋さんは1996年から函館、帯広、札幌と道内各地で読み聞かせ活動を展開。苫小牧では2005年4月に幼稚園内に絵本図書館「みみちゃんのおうち」を開設したほか、19年7月には表町に私設文庫「宇宙船みみ」を開館した。当面、苫小牧を拠点に活動した後、白老町に移住する。
問い合わせは松嶋さん 携帯電話080(5585)3117。
道内各地で本の読み聞かせボランティアを続けてきた札幌市の松嶋珪子さん(85)は29日、白老町大町3のセブンイレブン白老大町店近くに私設文庫「みみの館」を開設する。自身が所有する絵本や児童書約500冊を収蔵し、子どもも大人も憩える場として開放していく予定。同日は絵本の読み聞かせと開館記念コンサートを開催する。