胆振総合振興局主催の震災復興祈念さくら植樹会「あの日を忘れない~そして未来へ」が24日、厚真町吉野地区で開かれた。2018年9月に発生した胆振東部地震で甚大な被害があった土砂崩れの現場で、道職員や厚真町民ら約40人がエゾヤマザクラの苗木を丁寧に手植えし、復興への思いを新たにした。
地震で大規模崩壊した森林の再生とともに、震災の記憶を風化させることなく未来へつないでいこうと昨年に続き開催した。アサヒビールからの寄付金を苗木30本の費用に充てた。
植樹会に先立ち、同振興局の関俊一局長は「5年が経過し、復旧事業はほぼ終えたが、森林再生は時間をかけて行うことになる。継続して取り組み、子どもたちが大人になってもサクラが咲き続けることを願っている」とあいさつ。
宮坂尚市朗町長は「震災からの復旧復興、被災者の心をどう癒やしていくかは時間がかかることだが、手を緩めずに取り組む。未来に向かって笑顔になる日が一日も早くやってくるように、歩みは遅くても一歩一歩前へ進みたい」と述べた。
参加者は傾斜地に苗木を植え付け、緩まないように土をしっかりと踏み固めた。地元のこども園つみきの園児20人も作業を手伝い、梶谷真乎ちゃん(6)と中井里咲ちゃん(6)は「転びそうで大変だったけれど、楽しかった」とうれしそうに話していた。