厚真高校3年の桐原駿翔さん(18)は22日、2018年9月6日に発生した胆振東部地震の被災地を案内するガイドに参加し、北海道大学ボランティアサークルの学生12人に発災直後の様子などを伝えた。
同校では、1、2年生の3人が、今年から始まった町観光協会の「被災地ガイド」のガイドとして活動している。
桐原さんは語り部ボランティアとしての活動を模索しており、同観光協会に北大のサークルからガイド依頼があった機会に被災地ガイドに同行した。ガイドを務める下司義之さん(63)が北大生に地震の概要や当時の状況を説明した後、下司さんと一緒に吉野地区の山腹崩壊現場や幌内地区の厚幌ダムなどを案内した。
発災当時、町内の中学校に通っていた桐原さんは、自宅の水や電気が使えなくなり、自衛隊の支援を受けたことを説明。「山の方が被害が大きく、厚真高の生徒も亡くなっている。特に1階にいた人は犠牲になり、2階にいた人がたまたま生きていたという話を聞かされた」と語った。液状化していた公園で転んで服を汚したエピソードも紹介し、「洗濯ができない状況だったので、洗い物を増やして母親に怒られた」と当時の大変さを伝えた。
大学生からは「(被災地の様子について)忘れていた部分もあり、多くのことを学べた」との声が聞かれた。桐原さんは「皆さんが温かい雰囲気で聞いてくれた。山の方に行ってみて自分自身が新たに見つけられたこともあった」と振り返り、「来てくださった方が当時の状況を知り、震災の怖さなどが伝われば」と話していた。