公益財団法人イオン環境財団と厚真町による「厚真町さくら植樹会」が21日、町内幌内地区で行われた。イオングループ社員、町職員、町内外からの一般参加者を合わせ約150人が、胆振東部地震からの復興と、10年後、20年後に同地区が桜の名所になることを願い、エゾヤマザクラ1200本を植えた。
同財団は2015年から3年かけて町内に1万6400本の桜を植樹した。18年9月の震災後は、21年に大きな被害があった吉野地区に30本、昨年は幌内地区に500本の苗木を約100人で植えている。
植樹に先立って行われた開会式では、宮坂尚市朗町長が「森林の復旧も再生も、少しずつだが進んでいる。北部山間地は以前、桜の名所とも言われており、気持ちを込めて一本一本植樹し、景観が復活するよう見守っていただきたい」とあいさつ。同財団の山本百合子専務理事は「(幌内地区を)悲しい被災地のままでは終わらせないという町の思いを受け、この地で植樹をしている。平和も祈りながら作業をしてほしい」と呼び掛けた。
参加者はスコップなどを手に約1時間かけて、傾斜になっている盛り土に苗木を丁寧に植えた。参加者には家族連れも多く、たくさんの笑顔があふれた。豊丘地区在住の農業支援員セイン・ソヘンさん(41)は「一緒にやりたい」という2人の息子を連れて参加。「上のお兄ちゃんは大体内容を分かっていたようだった。一緒に植えることができて楽しいですね」とすがすがしい表情をしていた。