白老町の竹浦小学校(千葉康弘校長)と萩野小学校(山田耕一校長)は18日、町教育委員会が今年度スタートさせた白老未来学の一環として、先住民族の文化を学ぶ授業を町内のウヨロ川中流の河川敷で行った。両校の児童32人が一般社団法人白老モシリ主催のイオル(伝統的生活空間)体験事業に参加し、会員らと触れ合いながら、アイヌ民族の川漁や料理について学んだ。
白老未来学は、小中学生が地元の自然や商店、企業、施設などに出向き、多様な職種の人と触れ合いながら協調性や思考力を高める学習。郷土愛や生きる力を育てるのが狙いで、2022年度に基本構想、指導計画、授業モデルなどがまとめられた。今年度から各小中学校で取り組んでいる。
両校は、白老未来学に総合的な学習の時間を活用。白老モシリの事業を通じて先住民族文化の学習を進めることにし、竹浦小から3、4年生8人、萩野小から3年生計24人がこの日の事業に参加した。
サケ漁は不漁続きのため、漁体験は行われなかったが、漁のために設置するマツ、フキの葉を使った仮小屋「クチャ」の製作体験、チプ(舟)の見学は行った。サケを使った伝統食も試食し、児童たちは白老モシリの会員が用意したサケ入りのオハウ(温かい汁物)などを味わいながら、自然の恵みで命をつないできた先住民族の営みに思いをはせた。
野外授業に参加した萩野小3年の乳井柊人君(8)は「アイヌ民族の皆さんが食べていた食事や漁法を学ぶことができ、将来はアイヌ文化に関わる仕事に就きたいと思うくらい興味が湧いた」と話していた。