日本大学アメリカンフットボール部員の薬物事件に絡み、沢田康広副学長が一時期、理事会など全会議への出席停止や職務停止の措置を受けていたことが18日、関係者への取材で分かった。
8月下旬に執行部のメンバーから明確な理由を示されずに出席停止を告げられ、沢田氏側が抗議した9月上旬まで続いた。停止中の9月4日、沢田氏が林真理子理事長に理由を尋ねたところ、「お引きいただくのが一番良い方法」と辞任を求められたという。
執行部の措置に異議を唱える学部長もおり、薬物事件への対応を巡り、学内に対立が生じているもようだ。8月24日は複数の学部長からの意見を受け、学長判断で一部会議への出席を認められたが、発言は許されなかった。
関係者によると、日大側は「沢田氏が競技スポーツ部長に対し、情報の守秘と学生保護の観点から、危機管理総括責任者の常務理事に直ちに報告しないよう指示していた」と主張。危機管理規定違反の責任を検討するに当たり、沢田氏が特別利害関係人に該当することを理由に、停止措置を講じたという。
代理人弁護士によると沢田氏は、警視庁の指導を受け情報守秘の徹底を競技スポーツ部長に指示したが、常務理事に報告しないよう指示したことはないと訴えている。
沢田氏側はまた、「利害関係人に該当するかは会議の決議で個別に判断されるべきで、全ての会議から締め出すのは不当だ」と主張。学長には定期的に対応状況を報告しており、「意図的に報告しなかった事実はない」と反論している。