17日午前10時20分ごろ、大阪市天王寺区の天王寺動物園で「チンパンジーがおりから逃げた」と職員から大阪府警天王寺署に通報があった。逃げ出したのは雌1頭で、臨時休園して職員が園内を捜索していたところ、同11時前に麻酔銃が命中し、午後1時半すぎに捕獲された。
市消防局などによると、チンパンジーを捕まえようとした際に40代の男性獣医師が顔面を負傷した。当時は営業中だったが、客にけが人はいなかった。
動物園によると、逃げ出したのは19歳の「レモン」。獣舎内の通路と寝室の間に約20センチの隙間があり、そこから逃げたとみられる。木の上にいたところに麻酔銃を発射し、地面に落ちた際に捕獲したという。記者会見した向井猛園長は「ご迷惑とご心配をおかけし、おわびする」と述べた。
天王寺動物園は1915(大正4)年の開園で、観光名所「通天閣」がある新世界と呼ばれる繁華街に隣接している。