白老町健康福祉課と町社台のNPO法人ウテカンパ(田村直美代表)は5日、同町の竹浦小学校(千葉康弘校長)で子ども版出前講座「手話教室」を開いた。町手話言語条例が7月施行されて初めて開かれた手話教室で、5、6年生11人が田村代表(52)と町内の聴覚障害者吉原和香奈さん(37)から手話を学んだ。
町は7月、町手話言語条例を施行し、「手話を使って安心して暮らすことができる町」を目指している。
田村代表は手話通訳者として活動し、依頼に応じて出前講座の手話教室を開催している。この日は町とともに子ども版教室を開き、同条例の目指す「聞こえない人の日常生活や手話言語を深く理解して地域で支え合う」ことに理解を広げようと取り組んでいる吉原さんと来校した。
2人は子どもたちに聴覚障害や手話の必要性を説明。耳が聞こえない人が口の形を読み取って言葉を理解する「読話」は「橋や箸、1時と7時などの違いが分かりにくい」とし、手の形を変えて身ぶり手ぶりで伝えるコミュニケーションの大切さを訴えた。また同校教諭の田村正江さん(52)も「言葉だけでなく動きや雰囲気が大切なコミュニケーションになる」と伝えた。
耳が聞こえにくい友達がいるという5年生の石館ほむらさん(11)は、「たくさん手話を覚えて友達といっぱいお話したい」と満面の笑みで話していた。