アイヌ施策や北方対策などを担当する自見英子内閣府特命担当相(47)が5日、就任後初めて白老町の民族共生象徴空間(ウポポイ)を訪れた。視察後に記者会見し、「アイヌの方々の生の声や思いに寄り添い、確実に、着実にアイヌ施策を前進させていく」と語った。
自見氏は、アイヌ民族の遺骨が安置されている国の慰霊施設や、国立アイヌ民族博物館の展示などを見て回った。佐々木史郎館長らから展示資料の説明を受け、先住民族が受けてきた傷みや歴史的事実とともに、豊かな文化を育んできたことを学んだ。
会見で自見氏は、先住民族にルーツを持つ職員との意見交換があったことについて言及し、「互いに互いを尊敬し合うことが重要―との声を頂いた。今後もできる限り北海道へ足を運び、未来志向のアイヌ施策を総合的かつ効果的に進めていきたい」と述べた。
政府の年間100万人の来場者数目標に対しては、「先住民族の歴史や文化を学ぶだけでなく体験できる素晴らしい魅力がウポポイにはある。国土交通省や文化庁などの関係省庁、道としっかり連携し、年間100万人を超えることを目指して取り組んでいきたい」と意欲を示した。