厚真町美里の農地で4日、国の特別天然記念物のタンチョウが2羽見つかった。関係者によると、近隣のむかわ町で目撃されているタンチョウとは別の個体とみられる。町内での営巣は確認されておらず、「他で繁殖した個体が餌を求めて渡ってきたのでは」と推測している。
タンチョウはこれまで道東に多く見られたが、野鳥観察や自然保護に取り組む「ネイチャー研究会inむかわ」の調べでは、ここ数年、むかわ町をはじめ道央圏で繁殖、越冬するタンチョウが増えていることが分かっている。
同研究会のメンバーで保護、調査などを行う「タンチョウ研究所」(札幌市)の正富欣之所長によると、厚真町内でも「この5~6年、夏の終わりから秋の終わりごろにかけて浜厚真、上野地区の畑や水田で見られる」との情報があるという。
ただ、町内には巣がないため「近くの市町村で繁殖した若い個体が、畑など餌の取りやすい場所に出てきているのでは」と分析。「晩秋から雪が降る前までは見ることができるかもしれない」と話している。