2018年9月に発生した胆振東部地震から5年に合わせた厚真町主催のシンポジウム「復興まちづくりサミット2023」が22日、町総合福祉センターで開かれた。同地震で被災した厚真、安平、むかわの3町に加え、新潟県中越地震(04年)や東日本大震災(11年)、熊本地震(16年)の被災自治体から首長や関係者を招き、これまでの歩みや今後の展望などについて意見を交わした。
安平、むかわ両町が共催、道が後援。全国各地からオンライン視聴を含む約250人が参加した。
熊本地震で2度の震度7を観測した熊本県益城町の西村博則町長は「災害時にやるべきことを事前にまとめていたことがボランティアセンターの立ち上げなどで役に立った」と紹介。今後は地域包括ケアシステムの構築・自主防災組織の支援や、それらと連携した防災訓練を繰り返し行っていくほか、健康づくりや祭りなどソフト事業の重要性も説いた。
同県西原村の吉井誠村長は「役場のマンパワーが足りず、住民サービスが行き届かなかったが、地域コミュニティーが強く、主体的に取り組む土壌があって避難所運営を含めて大きな役割を果たした」と当時を振り返るとともに、被災を経験したことで「より地域が力強くなった」と述べた。
また、復興期がコロナ禍と重なり、コミュニティーが停滞したことに言及。ただ、「振り返ると少し休憩することができたと前向きに捉えている。若い世代が次の計画を立てるなど活発な動きが見られる」と述べた。
厚真町の宮坂尚市朗町長は「町民の傷ついた心を癒やすことなどそれぞれに寄り添ったケースマネジメントが必要で、新しい生活拠点に向けては丁寧な説明が求められた」と回顧。その中で「(災害救助法で定められている仮設住宅入居期限の)2年以内に(住民に)結論を出していただいたことが町の復旧を加速させた」と話した。
後半は、厚真、安平、むかわ3町で防災や復興事業に携わってきた担当者が多くの支援に感謝の意を伝えたほか、5年を経てそれぞれが目指す今後のまちづくりについて語った。