むかわ町の穂別高校(岩瀬均校長)で19、22の両日、2023年度穂別地区音楽会が開かれた。高校生24人がプロの演奏家から直接指導を受けるワークショップのほか、22日には地元の小中学生、保護者らを招いて演奏会が行われた。
講師を務めたのは石狩市を拠点に活動するバリトン歌手の今野博之さん、妻でピアニストのくる美さん、ソプラノ歌手の前田奈央子さん。生徒にプロの指導や演奏に触れる機会をつくろうと企画した。
今野さんは「心の持ちようだけで声は出る」と話し、あくびをするイメージで声を出したり、歌う時に体をリラックスさせたりする独自の練習法をアドバイス。「高音や歌うことが苦しい時はやってみて」と呼び掛けた。
指導を受けた3年の土屋日菜さん(17)は「オペラをやっている人は声がしっかり響いていて、すごいなと思った」と驚き、「今までただ口を大きく開ければ声が出ると思っていたが、口の形を良くするだけでいい音が響いた」と実感を語った。
今野さんは「歌うという行為は誰もが楽しめること。それを体感してもらいたかった」と言い、「音楽を聴く機会に恵まれにくい地域に、生の声を届けるのは僕たちの活動の趣旨にも合っている。今回の演奏を通して、音楽を楽しむきっかけが広がれば」と目を細めていた。
演奏会ではプッチーニの「トゥーランドット」やディズニー映画「リトル・マーメイド」のプログラム、小中高校の校歌メドレーなどを圧巻の歌声で届けた。