商船三井クルーズ(東京)の客船「にっぽん丸」(2万2472トン)が21日、横浜港発着「にっぽん丸 秋クルーズ」(18~23日)の一環で白老港に寄港した。同港へは、昨年6月の初寄港以来2年連続。あいにくの風雨で歓迎イベントの一部は中止になったが、乗客約250人は出港までの約7時間、岸壁発着のバスツアーに出掛けるなどして楽しんだ。
同船は午前10時、第3商港区西埠頭(ふとう)第1岸壁に着岸。港湾管理者の大塩英男町長が出迎え、同クルーズの福元剛ゼネラルマネジャー(GM)に記念品として約30センチ四方の革細工の壁掛けを贈った。手掛けたのは、白老アイヌ協会会員で刺しゅう・革工芸作家の河岸洋美さん(58)=白老町石山=。返礼として、白老港に寄港する同船を描いた浮世絵風の絵画を受け取った。
岸壁では、白老観光協会が特産品を販売した。乗客は、特設テントに並んだ銘菓や人気商品を購入するなどして歓迎ムードを満喫。民族共生象徴空間(ウポポイ)や世界遺産の北黄金貝塚(伊達市)と洞爺湖有珠山ジオパーク(壮瞥町)に向かう2種類のオプションバスツアーに出掛けたり、個別にタクシーを貸し切ったりして周辺の観光を楽しんだ。
同船は全長166・6メートル、幅24メートル。20日は宮城県の石巻港に寄港し、乗客は東日本大震災の被災地見学や中尊寺などを巡る歴史ツアーに参加したという。21日午後5時ごろ、横浜港に向けて出港。白老アイヌ協会による安全航行を祈る儀式は、荒天のため中止された。
福元GMは「(お客さまを)道央方面に直接運べる白老には、地元にもすてきな観光地がある。またお連れする機会があれば」と述べた。大塩町長は「2年連続で寄港いただき、感謝している。ぜひ来年も来ていただけるようポートセールスの取り組みを進めたい」と話していた。