白老町の旧竹浦小学校の校庭で、小さなフィラメント電球をともし、秋の夕暮れを彩るイベント「竹浦アートプロムナード」が、30日まで開かれている。白老町竹浦在住のアーティストでデザイナーの石川大峰さん(43)の企画に町民有志が加わって実現した催しで、29日には夜市も予定している。
点灯を始めた16日は、15人ほどの地域住民らが集まり、暗くなるにつれて存在感を増す電球の光を見詰めたり、スマートフォンを向けて撮影したりする姿が見られた。竹浦小を卒業した登別市の会社員、原口智衣さん(39)は「母校には今も親近感がある。かつての竹浦小が帰ってきた気がしてうれしい」と話していた。
作品は昨秋、白老文化観光推進実行委員会主催の芸術祭「ルーツ&アーツしらおい―白老文化芸術共創」の一環で出展された。フィラメント電球の光は同町に住む子どもの数を表し、感銘を受けた町民有志が「電球を点灯する取り組みを継続したい」と、作品を本祭から引き受ける形で再スタートを決めた。
今年は2023年7月末時点の0~12歳児796人の数を表す「796の光望」として、期間中の毎夜、午後5~9時に点灯する。入場無料だが、取り組みの継続に向けて寄付を受け付けている。
29日は午後4~9時に会場で「満月夜市」を開催。町竹浦地区の飲食店を中心にパン、コーヒー、ラーメン、雑貨などの店が21店舗軒を連ね、5組のアーティストが音楽などを披露する。会期後の10月1日には、関係者らで会場と周辺のごみ拾いを行う。
旧竹浦小は1888年、敷生村古丹(現白老町竹浦)にかやぶき土間の校舎で開校し、1928年に現在地に移った。64年に改築した校舎が老朽化し、2015年に約500メートルル東側の旧竹浦中学校跡に移転した。