2021年から白老町の社台と虎杖浜アヨロの2地区で始まった「歩いて巡る屋外写真展」。漁で暮らすこの地区の人たちの営みを昭和時代から撮り続けてきた故山崎壽昭さん(虎杖浜地区)と中出満さん(72)=社台地区=の記録写真を引き伸ばし、建物の壁面などに設置している。
二つの前浜で繰り広げられた生活の記録写真の保全活動は、地域住民が主体となった写真展示プロジェクトとして展開している。今夏は、本祭開催に向けて地元の高校生が作品の保全に協力してくれた。
白老町東町で写真館を営む村上英明さん(54)は、社台地区に展示されている漁にいそしむ町民らを捉えた写真の原物を、保存し続けている第一人者。それぞれの屋外写真展の会場で大量のネガやフィルムから選ばれた作品を鑑賞することができる。村上さんは「地域住民の手で取り組みを継続していけるように育てていく」と語る。
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10月9日まで町内各地で開かれている芸術祭「ルーツ&アーツ2023―白老文化芸術共創」の魅力について、主催団体の一つ、白老文化観光推進実行委員会の広報担当・八木皆美さんが全4回で紹介する。