むかわ町穂別地区で発掘された恐竜「カムイサウルス・ジャポニクス」(通称むかわ竜)とエコ資源を生かした恐竜アートイベント「恐竜リベンジャーズ2023inむかわ」が16日、町内道の駅「四季の館」で開幕した。当初は18年9月の開催を予定していたが、直前の胆振東部地震により中止となったため、5年越しで実現した。新聞などの再生紙や折り紙でできた迫力ある恐竜が会場内にずらりと並び、白亜紀の世界を創出している。
エコ素材を生かした恐竜の展示作品やワークショップを通し、環境変動を考えてもらうとともに、ものづくりの楽しさを伝える催事。
町民の有志らでつくる同イベント実行委員会が主催し、町や町商工会青年部が共催。震災から5年を迎えた町の復興推進記念事業として18日まで開催する。
会場には、全長約8メートルあるむかわ竜のレプリカを中心に、クラフト恐竜作家の亀井由美子さん(76)=広島市=が新聞紙などで制作した幅1~2メートルの立体型恐竜約40点がレプリカを囲うように展示されている。
期間中は、再生紙を使ったクラフト体験(各日先着20人)のほか、17日には絵本作家かさいまりさんを迎えた恐竜絵本教室も開催する。広場では化石クリーニング体験やグッズの販売なども行う。
開幕前にはセレモニーが行われ、実行委員長を務めるむかわ町恐竜ワールドセンターの栗原健一代表が「5年越しの復興と再生を誓って新たなスタートをしようと開催した。短い期間ですが、皆さんでこの町を盛り上げていきたい」とあいさつ。来賓の竹中喜之・むかわ町長は「恐竜が復活した町に何を伝えようとしているのか。エコを通じてより身近に温暖化やSDGs(持続可能な開発目標)を考えるきっかけになれば」と激励の言葉を述べた。
イベントは5年前の9月に企画していたが、直前に震災が発生して中止を余儀なくされ、再挑戦(リベンジ)の思いを込めて「リベンジャーズ」と名付けた。亀井さんは「皆さんに勇気を与えられたら」と願い、町恐竜ワールドセンターの鎌田昌樹事務局長は「5年越しの開催。(町が掲げる)復興と創生の象徴になるイベントにしたい」と話す。
入場は無料。時間帯は午前10時~午後5時(18日は同4時まで)。