白老町の民族共生象徴空間(ウポポイ)の中核施設・国立アイヌ民族博物館(佐々木史郎館長)は16日、第7回特別展示「考古学と歴史学からみるアイヌ史展」を特別展示室で開幕した。現代みられる伝統が形成された18~19世紀のアイヌ文化を軸に、アイヌ民族の歩みを考古学と歴史学の研究成果を踏まえて紹介する。11月19日まで。
展示資料は、道内初公開となる江戸幕府4代将軍、徳川家綱の朱印状や重要文化財の「蝦夷島奇観」などの史料約320点。土器などの発掘された遺物、書物、図画などを参考にして、東西の伝統と南北の交流、チャシ(とりで)の構築、生活の中で育まれた今に息づくアイヌ文化の系譜を、6章立てで紹介している。
同館は「太古の昔から200年前までにアイヌ文化がどのように形成され、受け継がれてきたのかを考える機会になれば」としている。
会期中、10月7日午後1時半から同館1階交流室で同館職員のトークイベント「アイヌ史にみる動物の話」(定員50人)を開くほか、23日、10月14日、11月3、4、18日、同館職員のギャラリートークを予定している。各日午後1時半から約30分だが、11月3日は午前11時にも行う。イベントは、いずれも当日受付で先着順。
観覧料は大人300円、高校生200円、中学生以下無料。ほかにウポポイの入場料が必要となる。詳しくはウポポイのホームページ(https://ainu-upopoy.jp/)。