カナダ北西海岸の先住民族一行8人が13日、交流を目的に白老町の民族共生象徴空間(ウポポイ)を訪れた。カナダの先住民族一行と白老町のアイヌ民族との公式交流は1994年以来29年ぶり。伝統的コタン群のポロチセ(大きい家)で、ウポポイ職員と伝統の歌や踊りを見せ合った。
訪れたのはハイダ族のアーティスト、ジム・ハート氏(71)やクリスチャン・ホワイト氏(61)ら。一行は14日午後に北海道大学構内で開かれる国際シンポジウム「先住民観光の挑戦」に出席するために来日した。
ウポポイ職員から、格式の高い特別なあいさつの言葉「ウウェランカラプ」や男性の力強い動きや発声を伴うもてなしの踊り「タプカラ」で厚い歓待を受けた。返礼として、ハート氏らは首長の歌やカヌーをこぎ出す時に歌う歌、さらに伝統の舞を披露した。
カナダ先住民との公私にわたる交流は、旧アイヌ民族博物館が開館した当時から約40年近く続いている。ハート氏らと長年交流を続けている民族共生象徴空間運営本部の野本正博副本部長(60)は「カナダ北西海岸の先住民はアイヌ民族と世界観などで文化的な類似性があり、互いに親近感を覚える存在。彼らから学ぶことはとても多い」と話していた。
一行は、ウポポイで国立アイヌ民族博物館なども見学した。