白老アイヌ協会は6日、町北吉原の北吉原本町生活館で、刺しゅう講座を開講した。受講者はアイヌ文様の刺しゅうを施した前掛け作りに取り組んでいる。
地域のアイヌ文化を継承する人材育成を目的とした町の委託業務「アイヌ文化保存・伝承・発展活動推進事業」の一環。
11月8日まで週1回ペースで10回開き、町内の刺しゅうサークル「エミナの会」代表の菅野節子さんが、アイヌ語でトゲを意味するアイウシや渦を意味するモレウなど特徴的なアイヌ文様の刺しゅうを手ほどきする。
受講生たちは初回、菅野さんの指導を受けながら、生地を採寸したり、アップリケにする青い布地にはさみを入れたりした。北吉原の主婦渡部真紀子さん(65)は長年同講座に参加しており、「年1回の楽しみで手芸好きの仲間もできた。伝統と歴史を思いながら一針縫うごとにうれしさを感じる」と話していた。
同事業は2019年度から国のアイヌ政策推進交付金を活用して取り組み、今年度で5年目。講座事業は4年目に当たり、12月には町大町にある同協会の施設ノシキで、受講生の作品展を予定している。