海釣りファン待望のサケ釣りシーズンが到来した。人気ポイントの錦岡海岸は夜明け前からさおの放列。河口規制対象外の河川は浮きルアーなどを投じる釣り人が繰り出している。ただ、今季序盤は例年になくかなり厳しい釣況。はしりの時期特有の”銀ピカ”を狙う釣り人たちは躍起になっている。
サケ釣りは例年、8月中旬から釣果情報が次第に増えていく。ところが錦岡海岸は今季、台風や低気圧の影響などで盆以降、うねりや波の高い日が続いていたこともあり、釣果情報はまだ少ない。しかも太平洋西部は沖も沿岸も平年より相当、水温が高く、海流の変化や海水温による資源と漁業への影響が懸念されている。
錦岡海岸のサケ釣りが本格的ににぎわいだしたのはこの週末。3日早朝は天気にも恵まれ、河口規制期間に入っている錦多峰川の左岸300メートルからゴルフ練習場施設跡まで、ほぼ2メートル間隔で釣りざおがずらりと立ち並んだ。
河口から400メートルほど離れたポイントに前日から釣座を構えた釣り仲間3人組はそれぞれ4本から5本程度、投げざおをセット。餌はカツオの切り身を付けてそれぞれ手前と遠投で投げ分けて狙った。
しかし肝心のサケの岸寄りはさっぱりで、「見たところ一帯で、夕べから今朝まで魚は釣れていない」と表情は曇りがち。少し離れたポイントに入っていたベテランの釣り人も「今季は錦岡でまだ魚の顔は見られていない。どうなっているんだか」とぼやいた。
複数の釣り人によると、錦岡海岸に今季、群れが寄ったのは8月31日の午後。錦多峰川の河口規制の直前になってようやく小規模な群れが来遊し、浮きルアーなどで数匹釣れたとされている。
例年と様相が異なる今季のサケ釣りだが、シーズンは始まったばかり。通常なら来遊のピークは9月下旬から10月上旬だけに、今後の釣況の好転に期待をかけたい。