厚真町は、胆振東部地震から5年に合わせて証言集「復旧・復興から未来創生へ」を作成した。被災した町民や遺族らが抱いた発災当初の心境や体験談、復旧・復興に関わった人たちの言葉など、それぞれにあったドラマを細かく聞き取り、つづった貴重な一冊。「災害に強いまちづくりの一助になれば」としている。
2021年9月から約2年かけて町民や遺族、支援者らを取材して回り、発災当時の様子や気持ちを掘り起こしたほか、それぞれが置かれていた状況、復興に向かって立ち上がっていく姿などを写真や記事、図表を交えながら伝えている。
A5変型判、全271ページで2100冊を用意。道内の図書館約150施設をはじめ、中学、高校、短大、大学の計約920校に配った。作成に当たった町の編纂(さん)委員会担当者は「災害時の記憶や復興に懸ける思いなど、公式記録には残らないような体験や心境を描いている。行政が発刊するようなものではないかもしれないが、後世に残す価値のある証言集になった」と説明する。
また、地震の被害状況や復旧・復興事業などを数字や資料で示した報告書(全199ページ)も500部作成。道内市町村や国の関係機関に配布した。町のホームページでも閲覧できるようにする予定。