むかわ町の鵡川中央小学校(荒木英弥校長)は4日、総合的な学習の時間で自然科学研究機構国立天文台ハワイ観測所(米国ハワイ州)の工藤智幸さん(46)=ハワイ島在住=を講師に迎え、キャリア教育に関する特別授業を行った。6年生32人がハワイ島や天体観測といった貴重な話に耳を傾けた。
工藤さんは旭川市出身で、白老町で育った。現在は苫小牧市に実家があり、同校の池田佳教頭が共通の知人を介して講師を依頼し、帰省のタイミングで実現した。
工藤さんは現在住むハワイ島で昨年末に火山が噴火したことや勤務する施設が富士山より高い標高約4200メートルの場所にあることを写真を使いながら紹介。「空気は平地の半分ちょっとしかない」「雲より高い場所にあるので星空はほぼ毎日見られる」「ハワイでも雪が降る場所」などと現地について伝え、「機会があれば、ハワイでいろんなことを体験してほしい」と呼び掛けた。
今の仕事を志した理由などを尋ねられると、「みんなと同じくらいの年齢の頃に星空の写真を見たのがきっかけ」と回答。「身近にあるカメラで写真を撮影することも将来の研究につながる」と言い、「目標のためにコツコツ勉強することが大事」と説いた。
普段なかなか聞くことがない話題が多く、児童たちは興味津々。小坂真央さん(11)は「もっと難しいと思っていたけれど、分かりやすかった。富士山より高い山があって、雪が降るのはびっくりした」と話す。丹羽叶君(11)は「難しいけれど興味を持った。一度はハワイに行ってみたいと思った」と語った。
工藤さん自身も「子どもたちから自然な質問や反応があって面白かった」と笑顔を見せた。