2018年9月6日に発生した胆振東部地震で大きな被害を受けたむかわ町は「防災の日」の1日、発災から5年目の日を前にして北海道テレビ放送(HTB=本社札幌市)と包括連携協定を結んだ。町がメディア関連の企業と協定を結ぶのは初めて。連携により、安全・安心で持続可能なまちづくりの実現を目指す。
町はこれまで防災や地域の課題解決の一つとして、リモコンのdボタンを活用し、町から配信される情報をテレビ画面で見ることができるHTBのデータ放送サービスを4月1日からスタートさせている。
今回の協定では、地域防災情報の伝達やICT(情報通信技術)・IoT(モノのインターネット)を生かしたまちづくり、観光事業促進などの分野で連携を進め、安全・安心で持続可能なまち、地域づくりを充実させる。
締結式は同日、産業会館で行われ、竹中喜之町長は「テレビで町の情報が配信されることで、お年寄りをはじめ、スマートフォン、端末に慣れない方々から『非常に助かっている』との声がじかに届いている」と感謝の意を示し、「まちなか再生を含め、復興がまだまだ道半ばの中、(町復興計画で掲げる)『支援を力に、力を形に、未来へ』つなげる復興や、その先の創生に向けた取り組みに、この協定で弾みを付けることができる」と期待感を表した。
同社では、町主催のイベントへの参加や町職員の研修受け入れなど人材交流にも意欲を見せている。寺内達郎社長は「忌憚(きたん)なく、いろいろな可能性にトライしていきたい。息の長い付き合いをしていけたら」と語り、「自治体と協定を結ぶのは当社も初めて。地域とメディアのパートナーシップを組む礎のモデルになるのでは」と話していた。