セルビアの首都ベオグラードにニコラ・テスラ博物館があります。皆さまはニコラ・テスラという名前を耳にしたことがあるでしょうか。電気分野においては、白熱電球で有名なトーマス・エジソンに負けないくらいの発明家として知られており、磁石の強さを表す単位「テスラ」として彼の名前が残されています。
テスラはエジソンの元で働いていたこともありますが、エジソンはいわゆる直流、テスラは交流の電気について研究を進めていたこともあり、2人の間には強い確執があったことが知られています。そのような彼らの研究成果があったおかげで、現在、われわれは生活の中で電気を不自由なく使えていると言っても過言ではないでしょう。
テスラは民族的にはセルビア人であり、セルビアには彼の偉業をたたえるものがあります。例えば、この国の100ディナール通貨に肖像画が使われており、ベオグラードにある空港もベオグラード・ニコラ・テスラ空港と命名されています。
その中でも、ニコラ・テスラ博物館にはテスラの遺品や発明品などが数多く展示されており、彼の偉業を知ることができます。このうち、彼の開発したテスラコイルという名前の雷発生装置は非常に迫力があるものになっています。3メートル近くある巨大な装置によって、雷を人工的に発生させることができる博物館の一番の目玉と言えるでしょう。私は3回ほどセルビアに行く機会があり、毎回、これを見るのを楽しみにしていました。訪れることがある際には、ニコラ・テスラ博物館に足を運んでみてはいかがでしょうか。
(苫小牧工業高等専門学校准教授)