白老町在住のアイヌ文化伝承者、宇梶静江さん(90)が語り、自身の古布絵(こふえ)作品を披露する「絵本作家・宇梶静江の講演と古布絵の展示」が10月15日、札幌市の道立近代美術館講堂で開かれる。
民族の生活文化継承などに取り組む一般社団法人アイヌ力(ぢから)と白老町地域おこし協力隊員の乾藍那さん(36)の共催。
宇梶さんは、カムイユカラ(神謡)を題材とし、古い布の組み合わせとアイヌ文様刺しゅうで絵を描く古布絵の技法で、これまでに絵本「シマフクロウとサケ」や「セミ神さまのお告げ」などを発表している。
講演では、人間だけでなく動物にも役目があると考えるなど、命あるものは補い合い助け合って生きようとするアイヌ民族の世界観、自然の恵みを生活に生かす知恵、未来を担う子どもたちに伝えるべき精神文化などを語る。
会場には古布絵を制作した際の原画や自身が手掛けた刺しゅう作品を並べる。
乾さんは、古布絵の原画の魅力を多くの人に知ってもらいたいと企画。「一日限定ですが、絵本ファンにとっては原画を見たりお話が聞ける絶好の機会。ぜひ来場を」と呼び掛けている。
参加無料。開場は午前11時、講演は午後1時半から。宇梶さんの友人で、同じルーツを持つ歌手豊川容子さん(45)のミニコンサートは同2時15分ごろに始め、その後、宇梶さんと参加者による質疑応答などを行う。
問い合わせは乾さん 携帯電話070(2642)6587。メールのアドレスは(inuiaina@gmail.com)。