安平町早来地区にある小中一貫の義務教育学校「早来学園」(山田誠一校長)で8月31日と9月1日、1泊2日の日程で防災キャンプが行われた。7年生(中学1年相当)と町職員らが参加。課せられたミッションや避難所運営体験を通じて防災・減災の意識を高め、協力し合うことの大切さを学んだ。
同校で行う初めての取り組み。31日は生徒と町職員約60人が参加した。地震を想定して身を守る三つの行動を取る「シェイクアウト」を一斉に行った後、屋外に移動し、校内で火災が発生したことを想定したバケツリレーワークに臨んだ。生徒と町職員が隊列をつくり、協力して水を運び、消火作業を体験した。
この後、縦半分に切ったパイプをつなげてビー玉を流しそうめんのように流すパイプラインワークも行い、世代間のコミュニケーション醸成を図った。高田侑摩さん(13)は「大人と一緒にやると、やはり安心感がある。バケツリレーなどはやる前に、効率的に進める方法に気付くことができたらよかった」と振り返り、「みんながやりたがらないことを率先してできるようになりたい」と話した。政策推進課の橋本耕太さん(40)は「初動の連携や役割分担を瞬時に判断しなければいけないなど、勉強になることが多かった。大人と子どもで意思疎通を図ることが大事になる」と語った。
けがを想定したワークでは、生徒が8グループに分かれ、ギプス替わりに新聞紙やレジ袋を使って骨折に対応する体験をした。町職員は心肺蘇生法やAED(自動体外式除細動器)、三角巾の使い方について、実技を通して学んだ。防災教育学などを専門にする兵庫県立大学の木村玲欧教授は「災害への対応方法の正解は一つだけではなく、状況に合わせて考えていくことが重要」とアドバイス。「自分ができる限りのことをするという点について、それができていたか。大人はその場で判断し、効果的な対応をしてほしい」と呼び掛けた。
この後、生徒は避難所運営で男女に分かれて段ボールベッドの組み立てや防災職の調理を体験。互いに声を掛け合いながら、それぞれの役割をてきぱきとこなしていた。
1日は、防災クッキング、ゲームを通して非常袋について考えるワークなどを行った。