厚真町の厚南中学校3年の笠原桜空さん(14)が、9月8日に札幌市内の道民活動センター(かでる2・7)で開かれる2023年度「少年の主張」全道大会に出場する。5年前の胆振東部地震の実体験を基にした内容になっており、当時の不安な心境や支援への感謝の思いなど「体験した人でなければ分からない気持ちを伝えたい」と意欲を表す。
胆振管内11市町の代表が参加した胆振地区大会(7月中旬、室蘭市)で最優秀賞に選ばれ、全道大会の切符を手にした。
笠原さんは、小学4年生で地震を経験。身動きができなくなるほどの揺れに襲われ、その後、自宅では家族と、避難所では友人と不安な日々を過ごした。「断水中は自衛隊の人が水を運んでくれたり、避難所では町役場の職員が配給をしてくれたりした。今ここにいることは当たり前じゃない。いろんな人に助けてもらった誰かのおかげ」
自身で発する言葉に強弱や身ぶり手ぶりを交えて5分ほどのスピーチに詰め込んだ。審査員からは「実体験を基に、思ったこと、考えたことを主張できていた」と講評を受けた。
全道大会は各振興局地区の代表1人と札幌市代表に選ばれた計16人が出場。地区大会の時より広い会場で、多くの人の前で発表することになるが、「地震の経験は体験した人でなければ伝えられない。地震の時に感じたことが、真っすぐみんなに伝わればいいなと思う」と素直な思いを語る。