むかわ町穂別地区の住民ら有志でつくる「新博物館を考える町民会議」(中澤十四三代表)は28日、穂別町民センターで勉強会を兼ねた集会を開いた。町が新たに進める穂別博物館と周辺一帯、穂別地区市街地のまちなか再生を図る「復興拠点施設等整備事業」について、恐竜研究の第一人者でもある北海道大学総合博物館副館長の小林快次教授の考える博物館構想などを説明した。
同会議が小林教授から聞き取りした概要によると、▽展示変更や新規の恐竜全身復元骨格を追加で設置できるよう、部屋内を内壁で仕切らない▽既存の施設の改修▽新館の展示スペースとして400~600平方メートルを確保▽建設と展示の発注を分離する必要がある―などを指摘。運営面については「集客や利益を追求するあまり、アミューズメント性やレジャー性が強化されることで博物館本来の役割や地域の文化が失われることが危惧される」とし、指定管理者ではなく自治体で行うことを提言している。
同会議には町民ら30人ほどが参加し、「コンセプトや何らかの経済効果、教育効果が感じられることが大事」「成果の判断基準を事前に明確にしてほしい」と求める声が上がった。
同会議ではこの日の意見を小林教授に伝え、アドバイスを求めるほか、「小林教授を招いて集会を開催したいと考えている」と説明。中澤代表は「疑問に思う点を知ってもらい、町民にとって必要となる博物館にしたい。みんなでつくり上げていく機運を高めたい」と話していた。