東京電力は27日、福島第1原発(福島県大熊、双葉両町)で、放射性物質トリチウムを含む処理水の海洋放出設備を報道陣に公開した。24日の放出開始後の公開は初めてで、稼働中の施設の運転状況や監視について担当者が「手順通り実施できている」などと説明した。
報道公開されたのは、希釈用の海水をくみ上げるポンプや流量計、希釈後の処理水をサンプル採取する設備、放出中のタンクの水位やトリチウム濃度などを監視する遠隔操作室など。
東電廃炉コミュニケーションセンターの松尾桂介副所長は「運転、監視などは手順に沿ってしっかり行うことができている」と説明した。「世の中の関心が高いことは認識している。計画通り、ミスなく、着実に進めていく」と話した。
東電は24日、トリチウムを含む処理水を大量の海水で薄め、約1キロ沖合から放出を開始した。2023年度は3万1200トンの処理水を流す計画で、27日午後3時現在で計1381トンを海水と混ぜるため水槽に移送した。