サラブレッド1歳馬の競り市「サマーセール」(日高軽種馬農協主催)が21日、新ひだか町静内神森の北海道市場で開幕した。25日まで5日間の日程で、1426頭(牡789頭、牝637頭)が上場登録している。
サマーセールは、日高軽種馬農協が主催する5月のトレーニングセールから10月のオータムセールまでの4セールの中で、上場頭数と売上額が最大の競り市。市場長の古川雅且日高軽種馬農協組合長は「多数の良質馬が上場される。活発な競りの声掛けに期待している」とあいさつ。競りでは購買希望者が注目馬に熱い視線を送り、活発に競り上げていった。
初日の21日は、284頭(牡144頭、牝140頭)が上場。224頭(牡117頭、牝107頭)が落札され、売却総額は15億9346万円。売却率78・87%、平均価格は711万3661円で前年を上回った。
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「サマーセール」には同日、静内農業高校(赤穂悦生校長、生徒160人)生産・育成の牡馬「ナリタトップスターの2022(幼名・光翔)」も上場し、220万円(税込み)で同町のジャパンアクセスコーポレーションが落札した。昨年春の誕生から世話をしてきた生徒たちは感激の表情を浮かべ、競走馬としての活躍に思いをはせた。
畜産系生産科学科のある同校では、全国の高校で唯一サラブレッドを生産しており、生徒が毎年1頭の割合で繁殖から育成まで携わっている。同馬は父ノーブルミッション、母ナリタトップスター(母の父ディープインパクト)の血統で、鹿毛の牡馬。馬事コースの3年生16人から愛情を注がれ育てられた。
競りは、亀井奏汰さん(大阪府出身)、髙橋慎一さん(札幌市出身)、中村波音さん(東京都出身)、堀川優馬さん(埼玉県出身)の4人が担当。引き馬をした堀川さんは「入場する時は緊張した。16人で育てた馬を評価していただきうれしい。売れて良かった」、亀井さんは「これから先、けがなく調教を受け、競走馬としてレースで活躍してもらいたい」と話した。