2023年度むかわ町中高生海外派遣研修事業(7月29日~8月7日、オーストラリア・タスマニア州)、広島平和の旅派遣事業(5~7日、広島市)に参加した町内の中高校生が18日、それぞれ町役場を訪れ、帰町と現地での思い出を報告した。
海外派遣事業は、ノーベル化学賞を受賞した鈴木章特別名誉町民の功績を記念し、11年度から中高校生を対象にスタート。新型コロナウイルス感染拡大の影響で中止が続き、今年度4年ぶりに実施された。
鵡川、穂別両中学校から7人と鵡川高校の3人が参加し、タスマニア州ホバートの学校に通ったほか、ホームステイ先でホストファミリーと生活を共にした。
鵡川高1年の坂尻琴乃さん(16)は慣れない英語や文化の違いなどについて「大変だったが、考え方を変えるといろんなことがチャンスになるのだと思った。貴重な経験ができた」と報告。鵡川中3年の北澤和輝さん(15)はホームステイ先や買い物先で「日本とは違った優しさがあり、(人間)関係の輪が広がった」と語り、穂別中3年の瀧川蓮斗さん(15)は「英会話のスピードが速くて聞き取るのが難しかったり、なまりがあったりした。アクセントやイントネーションの学習の大切さを感じた」と振り返った。
竹中喜之町長は「皆さんが得た貴重な経験は将来に役立つと思う。向こうで出会った人との関係や交流も大切にし、異文化への理解や友情を深めて」と今後に期待を寄せた。
× ×
広島平和の旅派遣事業には中学生7人が参加し、平和記念公園で折り鶴を奉納したほか、広島平和記念資料館や大和ミュージアムを見学。被爆講話を聞き、原爆が投下された6日に行われた平和記念式典にも参列した。
鵡川中3年の須藤雄斗さん(14)はロシアのウクライナ侵略に言及し、「間違えた認識を持っているのは怖いこと。正しい知識を持って、平和や戦争を起こさないためにどうすべきか考えていけたら」と思いを新たに。穂別中2年の内海遥貴さん(13)は「遺品などを見て心が痛くなってくるものがあった。原爆が広島にどれだけ絶望を与えたのかを考えると悔しい」と話した。竹中町長は「一人ひとりが感じた平和への思いや命の尊さを大事にし、今回経験したことを仲間や家族に伝えていって」とエールを送った。