2018年9月に発生した胆振東部地震から間もなく5年の節目を迎えるのを前に、道内の若手神職でつくる北海道神道青年協議会は17日、慰霊祭を厚真町総合福祉センターで執り行った。神職や町内の関係者ら約30人が参列し、犠牲者へ哀悼の誠をささげた。
5年前の地震では道内全域がブラックアウト(大規模停電)に陥り、全道で44人が犠牲になった。このうち最も被害の大きかったのが厚真町で、最大震度7を観測した。土砂崩れが起きるなどして、災害関連死を含めると37人が帰らぬ人となった。これを受けて同協議会では、義援金活動や震災から1年時と3年時に復興祈願祭、慰霊祭を実施してきた。
この日の慰霊祭では神事を厳粛に執り行ったほか、復興を祈願して祭祀(さいし)舞を披露した。
来賓の宮坂尚市朗町長は「5年がたち、見渡せば震災の傷跡は見えなくなってきているが、一人ひとりが被災者であることに変わりはない。心に大きな傷を負っている中、必死に日常を取り戻そうと頑張っており、皆さま方にはどうかこれからも見守っていただきたい」と呼び掛けた。
同協議会の荒木直弥会長は「今でも被災された方々の心の傷は計り知れないものだと思っている。この地で見たもの、肌で感じたことを各単位会で伝えていき、この震災が決して風化しないようにつないでいきたい」と思いを新たにした。