行政機関も広報や防災情報伝達などに活用してきたSNSのツイッター。サービス名がX(エックス)に変わったが、中央省庁のホームページ(HP)には、今もツイッター時代のロゴマーク「青い鳥」が残る。X社の方針が不明確なことから、各省も変更など対応を決めかねているようだ。
2006年にサービスを開始したツイッター。英語で「小鳥のさえずり」という意味もあり、青い鳥をモチーフにしたロゴが使われてきた。運営会社を買収したイーロン・マスク氏は7月下旬、サービス名やロゴを「X」に変更。青い鳥はアプリなどから姿を消した。
1府11省にHPに載せたロゴをどうするか尋ねたところ、「検討中」(法務省、国土交通省など)や「様子見の段階」(厚生労働省)、「未定」(文部科学省)など態度を保留する回答が目立った。内閣府は「社会一般における浸透状況を踏まえる」と変更に含みを持たせた。
一方で、総務省は「いずれ変える方向だが、時期は検討中」と回答。外務省は「具体的な方向性はまだだが、将来的には変えることも視野」とした。
各省の悩みは、X社側の対応不足にあるようだ。農林水産省は「新しいロゴが公式に用意されていないので、今は変えようがない」とコメント。ロゴ使用のガイドラインが示されていない点を指摘する意見も複数あった。
新たなロゴ「X」について、ある省の担当者は「『X』って何かな?と思う人もいるのでは」と話し、しばらくは青い鳥と併用してはどうかと提案。「Xに変わったことを知らない人もたくさんいるのでは」との声も聞かれた。
「以前のロゴの方が平和なイメージで、うちの省としては良かった」。防衛省担当者はこう言って、青い鳥のロゴを惜しんだ。