文部科学省は、学校でのトラブルに組織的に対応するための拠点整備を2024年度から進める方針を固めた。専門家らを入れた支援チームを教育委員会に置く手法などを想定。自治体に必要経費を補助する意向で、同年度予算概算要求に関連経費を盛り込む。
長時間労働と並び、学校に過剰な要求をする保護者や苦情を訴える地域住民といった外部関係者とのトラブル対応の難しさも、教員らの疲弊感が増す大きな原因の一つとされる。教員や管理職が問題を単独で対処しようとして孤立するケースがあることも課題だ。
教育委員会が支援拠点を整備することで、トラブルに組織的な対応をしやすくする狙いがある。いじめや校内暴力といった問題にも対応する機能を持たせる方向だ。
こうした拠点は東京都や横浜市などが独自に設けている。同省は具体的な仕組みとして、教育委員会に特別の「支援チーム」を置く方法や、一般企業の「お客さまセンター」のようなサポートセンターを教育委員会に置き、学校だけでなく保護者や地域住民からの苦情を一括して受け付ける仕組みを想定している。
支援チームには、校長経験者や教育委員会の指導主事に加え、ソーシャルワーカーや弁護士、医師などの専門家も加わる。トラブルで悩む学校側からの相談を受けて助言するほか、学校現場への支援チームの派遣も行う。
サポートセンターは、電話で保護者や地域住民、学校の双方から相談を受け付ける。専門家が解決に向けた助言を行い、当事者双方から申し出があった場合には、第三者的な立場にある機関として、双方から意見聴取をした上で解決策を示すことも想定している。