2022年の1年間に全国の警察や麻薬取締部などが大麻取締法違反で5546人を摘発したことが8日、厚生労働省の薬物情勢統計で分かった。過去最多だった21年より237人減ったが、摘発者数は依然として高い水準にある。
加藤勝信厚労相は閣議後の記者会見で、「若年層を中心とした大麻の乱用拡大が著しい」と述べ、サイバー空間を悪用した薬物の密売や密輸の取り締まりを強化する考えを示した。
年代別の内訳は、10代が917人、20代は2923人で、20代以下が全体の7割を占めた。押収した乾燥大麻などは計約426キロに上った。
大麻事件の摘発者は21年まで8年連続で増え、上昇傾向にある。同省の担当者は「インターネットを通じて大麻が有害ではないとの誤った情報が流布されていることや、SNSで簡単に入手できることなどが考えられる」と話す。
違法薬物全体の摘発者数は1万2621人で、21年より1787人減少した。大麻以外では、覚醒剤が6289人(前年比1681人減)、麻薬・向精神薬が783人(同144人増)、アヘン3人(同13人減)だった。