製薬大手エーザイと米医薬品大手バイオジェンが共同開発したアルツハイマー病治療薬「レカネマブ」について、厚生労働省は7日、薬事承認の可否を審議する専門部会を21日に開くと発表した。症状の進行抑制が期待されており、承認されれば認知症治療の在り方を大きく変える可能性がある。
エーザイは1月、厚労省に製造販売の承認を申請。重篤な病気向けの優先審査の対象となり、通常はおよそ1年を要する審査期間が約9カ月に短縮された。米国では7月に正式承認され、卸売価格は患者1人当たり年間2万6500ドル(約380万円)に上る。
アルツハイマー病は、「アミロイドβ(ベータ)」というタンパク質が蓄積することで、脳の神経細胞が傷つき、認知機能が低下する病気。従来の治療薬は、症状の一時的な改善効果はあっても、時間の経過に伴って脳の萎縮が進むのは止められなかった。
レカネマブはアミロイドβを取り除くことで、症状の進行を遅らせる効果があるとされる。臨床試験(治験)では、18カ月投与の時点で初期段階の患者の病状進行を27%抑制した。