【ウィーン時事】ウィーンで開かれている核拡散防止条約(NPT)再検討会議の準備委員会では、被爆地の広島や長崎の生徒らも核兵器のない世界の追求を働き掛けた。1日の関連イベントに参加した広島県福山市の高校生は、国連関係者やウィーンの生徒を前に「核廃絶の実現を諦めてはいけない」と決意を述べた。
福山市盈進高校の池田和音さん(16)と松葉悠乃さん(15)は、被爆者らの声を海外向けに発信する取り組みを英語で紹介。「被爆者の素朴で崇高な思いを無駄にしない」と述べ、二度と核兵器が使われないよう語り継ぐと力を込めた。
高校生らは7月31日、国連の中満泉軍縮担当上級代表(事務次長)に、核保有の全面禁止を定める核兵器禁止条約に全ての国が加盟するよう求める4万4373筆の署名を手渡した。
代表であいさつした広島女学院高校2年の土井瀬戸さん(16)は「(署名活動を通じ)国籍や年齢に関係なく、多くの人が核のない世界を願っていると実感した」と説明。中満氏は「若い方の真剣な議論は、国連としてもありがたい」と応じた。