夏の暑さはこれからだというのに、苫小牧市内では早くもトンボが空を舞うようになった。自然界では、もう秋を迎える準備が始まっているのかもしれない。
本州各地では最高気温が35度以上となる猛暑日が続いている。その暑さを数年前に東京で体験したが、5分ほど歩いただけで汗だく。JR駅にあった冷風吹き出し口からしばらく動けなくなった。以来、夏の東京には住めないと思った。
苫小牧は最高気温が30度までになかなか届かず、「危険な暑さ」に襲われることはめったにない。それを思うと、夏の苫小牧の「涼しさ」は今後の観光戦略を練る上で一つの武器になるかもしれない。暑さから逃げ出したい人たちに今、流行の体験型観光を打ち出してはどうか。苫小牧には樽前山、オートリゾートキャンプ場、ウトナイ湖、ノーザンホースパークがあり、近くには支笏湖、民族共生象徴空間(ウポポイ)など観光資源が豊富。札幌までも高速道路で60分内で結ばれ、容易に足を延ばすことも可能だ。
1万個以上の目が集まった複眼を持つトンボは、360度見渡すことができ、近くに飛んできた虫を捕らえるのだそうだ。トンボのような広い視野を持つ人たちの意見を求め、新たな観光施策やまちづくりにつなげてほしいと思う。(教)