北海道教育委員会の「北海道CLASSプロジェクト(地学協働活動推進実証事業)」指定校、白老東高校は北海学園札幌高校と連携して21日、「歴史とSDGsをつなぐ」をテーマとした体験的な共同学習を白老町内で実施した。異なる環境で学ぶ2校の生徒約60人が一緒に伝統芸能などを鑑賞し、アイヌ文化などに理解を深めた。
白老東高は、同プロジェクトによって生徒が地域と連携してまちの活性化や課題解決に挑む教育に取り組んでいる。一方、北海学園札幌高は、国が全国に配置するWWL(ワールド・ワイド・ラーニング)コンソーシアム構築支援事業拠点校の一つ。世界で活躍できるよう異文化理解力を身に付け、SDGs(持続可能な開発目標)を目指す生徒を育成している。
共同学習は、両校の生徒に共生社会の実現を目指す意識の向上を図る目的で、初めて行われた。白老東高からは総合的な探究の時間の一環で2年生40人が、北海学園札幌高からは2年生17人が参加。民族共生象徴空間(ウポポイ)で伝統芸能上演を鑑賞したり、国立アイヌ民族博物館内を見学したりした。町陣屋町の仙台藩白老元陣屋資料館では、白老東高の2、3年生計4人が北海学園札幌高の生徒らに展示史料の解説を行った。
史跡を見学し、資料館で高校生ガイドから歴史解説を受けた北海学園札幌高の本間健太郎さん(17)は「地元の偉人の思いや陣屋が築かれた意義などを分かりやすく学べた」と話した。解説を担当した白老東高3年の加藤雫さん(17)は「うなずいたり笑ってくれたり、質問も的確で真っすぐに反応してくれたので、楽しくできた」とほっとした表情を見せた。
白老東高の小川政博校長は「私立高と公立高の共同学習は画期的。互いに学び合うことで、視野や将来の選択肢の幅を広げてほしい」と述べていた。