安平町の追分中学校(渡辺知峰校長)の3年生は20日、総合的な学習の一環で「まちづくり学習」の発表を行った。18人が8グループに分かれ、特産品を使った地域の活性化事業、防災施設の設置、過疎化対策など、それぞれが考えたオリジナルの施策を下級生や町職員らに提言した。
「まちづくり学習」ではこれまで、町の特徴などについて町職員から話を聞いて学び、地域課題を解決する政策や企画を検討。調査や分析もした上で提言としてまとめ、発表に臨んだ。
田澤綜祐さん(14)のグループは過疎地域の活性化についてプレゼンテーション。新たな公共交通サービスとしてハイヤーとデマンドバスを掛け合わせた「ハイブリッド・タクシー」の導入を皮切りに、集客を呼び込む大型複合商業施設を建設し、空き地を活用して企業を受け入れるという一体的な取り組みを紹介した。
田澤さんは「安平町を大きく発展させることは、かなりのスケールの話になる。少しずつでも僕たちの思いが採用されたら」と期待。林出淳希さん(15)は「住んでいる地域が安平町でも過疎の場所なので、何とかできないかと考えた。小さなところから始めてもらえれば」と求めた。
アニメを使ったまちおこしについて発表したグループは、まちの知名度アップにつながった好事例のほか、観光客が増えたことによるごみの増加、近所迷惑などが起きたケースにも触れて紹介。資金集めの方法として、インターネットを活用したクラウドファンディングやふるさと納税の呼び掛け、地元で応援を募る企画「ABIRA Talks(アビラトークス)」を挙げた。
このほか菜の花を生かしたふるさと納税の返礼品開発や菜の花イベントの拡充、蒸気機関車(SL)に特化した企画の提案もあった。
町政策推進課の笹山陽平さんは「単なるアイデアでなく、根拠やデータのある提案。大人に劣らない、とても興味深い発表内容だった」と講評し、「あるようで、実はなかった取り組みなどもあり、持ち帰って他の職員にも伝えていきたい」と前向きに語った。