苫小牧港・東港の有料釣り施設・一本防波堤で釣果を競う「2023一本防波堤ダービー」のサクラマス部門は苫小牧市ウトナイ南の杉渕惺琉さん(16)=鵡川高校1年=が優勝し、17日に現地で表彰式が行われた。6月25日に釣り上げた62センチがシーズントップだった。「24日に3匹バラした。リベンジも果たせてうれしい」と話し、ルアーの選択や攻め方がはまっての最高の結果に胸を張った。
サクラマス・ダービーは、事前登録した競技者が同魚の釣期の4月1日~6月25日の期間中、一本防波堤で釣り上げた魚の最大身長を競うコンテスト。有料釣り施設を運営する苫小牧港釣り文化振興協会が実施しており、他にアブラコ、ソイ、カレイ部門を9月末まで行っている。
シーズン当初にエントリーした杉渕さんだが、今季は市内外で6匹を上げながら一本防波堤に限っては1匹も上げることができないままダービーは最週末に突入。24日は立て続けに3匹ヒットする好機があったものの、いずれもフックアウトで痛恨の釣りとなった。
満を持しての25日はゲート開放の朝一番から先端側に釣座を確保。この日は朝から魚が頻繁にライズするなど雰囲気は十分。ルアーは周囲の釣り人と異なるカラー(カタクチ)のミノー14センチを選択し、キャストを繰り返した。
バイトがあったのは釣り開始から1時間後、長めのストップの後に入れたしゃくりで食ってきた。しっかりフッキングして魚は途中までおとなしく寄ってきたものの、手前10メートルで激しく抵抗。杉渕さんは大物を確信した。ところが「60センチ級が釣れると思ってもいなかった」ため、持参したたも網は小さめ。隣人が協力してくれ、無事に取り込んだ。魚は3245グラムの重量級。前日の雪辱とダービー最終日のビッグフィッシュに満足感をかみしめた。
杉渕さんが本格的に釣りに向き合い始めたのは中学の時。これまでに60センチのアブラコを釣り上げるなど、実力は同協会のスタッフも一目置く。「攻略方法さえ見つければここは最高の釣り場」と話す杉渕さん。ダービーはまだ3部門が続いており、得意のルアーゲームで2冠、3冠、4冠を虎視眈々(たんたん)と狙う。