納豆菌の摂取により寿命の延伸とストレス耐性の向上が期待できることが、線虫を用いた実験で示されたと、大阪公立大などの研究グループが発表した。
研究グループは、三大納豆菌の一つである宮城野菌由来の納豆菌株を与えた線虫と、標準餌の非病原性大腸菌OP50を与えた線虫を比較する実験で、寿命などに及ぼす影響を検討した。
その結果、OP50を与えた線虫に比べ、納豆菌を与えた線虫の方が寿命が有意に延びた。また、納豆菌摂取による寿命延伸効果には、自然免疫などに関わる生体経路が関与することが分かった。
寿命との関連性が指摘されるストレス耐性についても調べたところ、納豆菌を与えた線虫では、紫外線や酸化ストレスへの抵抗性が向上することが示された。
研究グループは「納豆菌摂取による寿命延伸効果が初めて示唆された。食事を介した健康長寿社会の実現に寄与できれば」とコメントしている。
(メディカルトリビューン=時事)